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校風・友人関係・ルール

「今いちばん仲がいいのは、普通部の仲間」。スマホ禁止の休み時間と、幼稚舎組と受験組が混ざる普通部の人間関係

幼稚舎組は3〜4割。受験で入った子との間に壁はあるのか。スマホ禁止の休み時間、今もいちばん仲がいい普通部のバスケ部の仲間、幼稚舎からの友達との距離を聞きます。

2026.09.02慶應義塾普通部
銀杏の木々に囲まれた明るい校舎へ、バスケットボールを持った学生が歩く淡い水彩風イラスト

中学受験で普通部を目指す家庭から、ときどき聞かれる心配があります。幼稚舎から上がってきた子たちの輪に、うちの子は入れるだろうか。

重松さんは、その輪の側にいた人です。普通部の同級生の3〜4割が幼稚舎出身だった、というのが本人の体感です。では、残りの受験組との間に、線はあったのか。答えは「ないっすね」の一言でした。

本人が代わりに挙げたのは、スマートフォンの使用禁止と、休み時間のバスケットボールでした。重松さんが「今いちばん仲がいい」と言うのは、幼稚舎の同級生ではなく、普通部で出会った仲間です。

連載第4回は、普通部の人間関係を聞きます。

話し手:重松さん(仮名) 聞き手:インタビュアー / PenBridge

幼稚舎組は3〜4割。でも「元幼稚舎」の壁はない

インタビュアー: 普通部は、半分くらいが幼稚舎からですよね。

重松さん: もう少し少ないですかね。3割から4割くらいの感覚です。

インタビュアー: 入って最初の1、2ヶ月はあるかもしれませんが、「お前、元幼稚舎だろ」みたいなものは続くんですか?

重松さん: ないっすね。みんな仲良くします。

インタビュアー: 僕はニューヨーク学院でしたが、中3から入る組と高1から入る組がいて、一応「元級」「新入」という呼び名はありました。たまに出るけれど、結局みんな仲良くなる。

重松さん: そういう感じだと思います。分け隔てはないです。

スマホ禁止の3年間が、今思えばよかった

インタビュアー: 普通部の学校生活で、いい意味で印象に残っていることはありますか?

重松さん: 僕らのときは、普通部がスマートフォンを禁止していたんです。持ってくる子はいましたし、僕も持ってきていましたけど、学校で使ってはいけない。バレたら没収される。あの環境は、逆に楽しかった気がしています。

インタビュアー: 逆に、というと。

重松さん: どうしても喋るしかないので。休み時間はみんなでバスケをしたり、サッカーをしたり。スマホがあったら、たぶんみんなスマホをいじっていたと思うんです。制約された環境だったのが、今思えばよかったですね。

今いちばん仲がいいのは、普通部の仲間

インタビュアー: 今も付き合いが続いている友達は、どの時期の人が多いですか?

重松さん: 普通部です。普通部からの子が、たぶん本当にいちばん仲がいい。ああいう環境で、勉強がきつくて、部活も一緒にやっていて、というのが大きいのかなと思います。

インタビュアー: グループで仲がいい感じですか?

重松さん: グループですね。普通部のバスケ部の子たちです。その仲間はみんな塾高でもバスケ部で、大学はバラバラになりましたけど、今も定期的に集まって、話して、飲んで、という付き合いです。

幼稚舎からの友達は「人による」

インタビュアー: 幼稚舎から仲がいい、という人はいないんですか?

重松さん: 僕はあまりいないですね。幼稚舎組で固まる子は固まりますよ。卒業してからも幼稚舎出身同士で仲がいい、という人たちはいます。僕はそこに行かなかっただけで、本当に人によります。

インタビュアー: 幼稚舎から一緒だった友達で、道が分かれた人は?

重松さん: 幼稚舎ですごく長く一緒だった子が一人いて、その子は医学部に行きました。今は全然会わないです。ただ、どこかで心の友みたいな人には出会いますね。小学校から大学まで一緒だと、どこかで必ず。大学まで一緒なので、そのままずっと続く感じです。

普通部から、ほぼ全員が塾高へ

インタビュアー: 高校は、迷いはなかったですか?

重松さん: 基本、塾高ですね。僕らの代は240人くらいのうち、SFC(湘南藤沢高等部)に行ったのが10人くらい。あとはほぼ塾高です。普通部からだと、高校選びで悩む人はあまりいないと思います。

PenBridge編集部より

「幼稚舎組の輪に入れるか」という心配に対する重松さんの答えは、輪そのものがあまりない、というものでした。幼稚舎出身で固まる子はいる。ただ、本人はそこに行かず、普通部で出会った仲間と10年来の付き合いを続けています。少なくとも重松さんの場合、出身ルートは友人関係を決めていませんでした。

本人が理由として挙げたのは、環境の制約でした。スマートフォンが使えない休み時間に、話すかボールを追いかけるしかない。きつい勉強と部活を一緒に乗り越える。友情を作ったのは、出身ではなく、そうした時間の共有だった、というのが重松さんの振り返りです。

重松さんの場合、中学で出会った仲間が、高校でも同じ部活で、大学も同じ塾内にいました。一貫校では受験で関係が途切れる節目が少ないぶん、中学の3年間で築いた関係がそのまま長く続きやすいのかもしれません。「どこかで必ず心の友に出会う」という言葉の背景には、この時間の長さがありそうです。

中学受験の家庭が気にかけるとすれば、幼稚舎組との距離よりも、入学後にどんな環境で誰と時間を過ごすかではないでしょうか。それは受験の合否では決まらず、入学後の3年間の過ごし方で決まっていくものだと思います。

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