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部活と勉強の両立

「受験に追われずに、高3の夏まで部活をやり切れました」。大学受験のない塾高で、高木さんが過ごした3年間

塾高に入ってよかったと思ったのは、受験に追われずに高3の夏まで部活をやり切れたこと。インターハイで3位に入り、10月の国体にも出場しました。その一方で、大学まで見えていると勉強のやる気は出にくい。「毎年1クラス分」と言われていた留年の話と、今も続くテニスの話を聞きます。

2026.10.30慶應義塾高等学校
朝の光が差す電車内で、足元にテニスのラケットバッグを置き、膝の上の教科書を読む男子中学生の後ろ姿を描いた和紙コラージュ風のイラスト

塾高に入ってよかったと、いちばん思った瞬間はいつか。高木さんの答えは、高3の最後でした。大学受験がないので、受験勉強に追われずに、夏まで部活をやり切れたことです。

ただ、大学まで見えていることには、別の面もあります。高校に入ってから、高木さんは「一気に怠惰になった」と笑います。

連載最終回は、大学受験のない塾高の3年間と、大学に入った今の話です。

話し手:高木さん(仮名) 聞き手:インタビュアー / PenBridge

高3の夏まで、部活をやり切れた

インタビュアー: 塾高に入ってよかったと、いちばん思ったのはいつですか?

高木さん: 本質的な話ではないかもしれないですけど、高3の最後に、受験に追われなかったことです。最後まで部活をやり切れました。夏まで思いっきりテニスができて、インターハイで3位に入ったり、国体にも出られたり。国体は10月なので、普通なら受験の真っ最中ですよね。

インタビュアー: 引退したあとは?

高木さん: それまで部活漬けだった分、遊べましたし、免許も取れました。それを全部両立できたのは、ほかの学校ではできなかったと思います。そこは本当によかったです。

全体練習は6時まで、部室を出るのは8時

インタビュアー: 塾高の部活は、練習時間も長いんですか?

高木さん: 今考えると、拘束時間はかなり長かったです。全体の練習は3時から6時くらいなんですけど、そのあとはみんなフリー練習なので、結局部室を出るのは8時ごろでした。

インタビュアー: いちばんの思い出は?

高木さん: 関東大会で優勝したことですね。塾高は部活ごとにまとまる学校なので、休みの日に遊ぶのも部活の仲間でした。

大学まで見えると、勉強のやる気は出ない

インタビュアー: 中学までと比べて、勉強への向き合い方は変わりましたか?

高木さん: 高校に入ってからは、一気に怠惰になりました(笑)。大学まで見えてしまったので。血眼になって勉強しているのは、医学部を目指すような人くらいです。行きたい学部がある人は最初から頑張るんでしょうけど、それ以外だと、本当にモチベーションがないんです。

インタビュアー: 塾高に入るなら、やりたい部活があるとか、自分のお尻を叩ける人でないと難しい?

高木さん: 間違いないです。入ってから、やりがいを見つけるのが大変、という意味で。とはいえ、それも贅沢な悩みなので、そこを心配して塾高を避ける必要はないと思います。

留年は「毎年1クラス分」と言われていた

インタビュアー: 一般入試で入ってきた人と、推薦で入ってきた人とで、違いはありますか?

高木さん: 地頭という意味では、もちろん差はあると思います。でも塾高の定期試験は、頑張った人が点を取るだけの仕組みなんです。時間をかけた人が取れる。

インタビュアー: 留年する人もいるんですか?

高木さん: 塾高は、留年がかなり多いんです。毎年1クラス分くらい出る、と言われていて。だから、1クラスに2人くらいは、1つ上の学年から来た人がいます。

インタビュアー: どんな人が留年するんですか?

高木さん: あくまで僕の周りの話ですけど、ほとんどが一般入試で入った人で、あとは内部から上がってきた人でした。推薦入試で入って留年した人は、僕は知らないです。一般入試の人は、受験で燃え尽きて、やる気がなくなってしまうこともあるんだと思います。だから、自分で頑張れる人じゃないと厳しい。

インタビュアー: スポーツをしている人は、意外としぶといんですね。

高木さん: そうですね。これ以上はまずい、というラインへの嗅覚があるんです。危機感が出たら、2学期で成績を上げてくる、とか(笑)。

大学でも、テニス中心の生活

インタビュアー: 今は、大学で何をしているんですか?

高木さん: 商学部に在籍していて、ゼミにも所属しています。それと、体育会のテニス部にいます。文武両道とはいえ、小さいころからずっとテニス中心の生活をしてきたので、それは今も続いています。

インタビュアー: 塾高で身についたことはありますか?

高木さん: 少ない時間で、留年しないように要領よくやる力ですね(笑)。大学でも、それをフルに発揮しています。今は4年生で、テニスに打ち込んでいます。

PenBridge編集部より

高木さんが塾高に入ってよかったと感じたのは、大学受験がないからこそ、高3の夏まで部活に打ち込めたことでした。ほかの高校なら受験の真っ最中になる10月に、国体にも出ています。推薦入試で評価された活動を入学後も続けるよう、学校から求められることはありません(塾高Q&A)。高木さんは自分でテニスを続けることを選び、その時間を最後まで使い切りました。

その一方で、大学まで見えていると、勉強のやる気をどう保つかは本人に任されます。塾高Q&Aでは、成績面に限っていえば、3年間とも進級できる成績であれば慶應義塾大学への推薦を受けられる、と説明されています。進級できるかどうかが、大きな分かれ目です。「毎年1クラス分」という留年の人数は、学校が公表している数字ではなく、高木さんが在学中に聞いていた話です。留年したのは一般入試や内部進学で入った人が多かった、というのも高木さんの周りでの話ですが、受験をゴールにしてしまうと入学後に燃え尽きることがある、という指摘は、慶應女子に進んだ松尾さんの話とも重なります。

中学では週6日のテニスを続けながら評定38を取り、推薦入試で塾高へ。塾高では大学受験のない時間を部活に使い切り、今も大学の体育会でテニスを続けています。勉強に向ける熱量は時期によって大きく変わりましたが、テニスを軸にした生活は、小学生のころから一度も変わっていません。

2027年度の推薦入試の日程や出願資格は、慶應義塾高校の受験対策ページにまとめています。

連載記事

高木さんインタビュー

第1回

「中1で、塾高テニス部の練習に参加したんです」。テニスも勉強も続けたかった高木さんが、慶應義塾高校を選ぶまで

小学生のころからテニス中心の生活を送り、中学受験は塾に通わずに国立大学の附属中学校へ。高木さんは中1のときに、もう塾高テニス部の練習に参加していました。推薦入試で慶應義塾高校に入るまでの連載第1回は、塾高を選んだ理由を聞きます。

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第2回

「ゲーム機もスマホもなかったことに、感謝しかないです」。週6日のテニスと片道1時間半の通学で、高木さんが評定を取り続けた中学時代

朝6時半に起きて、片道1時間半の電車で通学。放課後はテニススクールに向かい、帰宅は夜10時半。高木さんは中3の夏まで週6日のテニスを続けながら、成績のつけ方が厳しい国立大学の附属中学校で評定を取り続けました。勉強の時間はどこにあったのか、家庭のルールとあわせて聞きます。

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第3回

「みんな、文武両道と書くんです」。評定38の壁を越えて、高木さんが塾高の推薦入試に出願するまで

塾高の推薦入試には、中3の9教科の評定合計が38以上という出願資格があります。成績のつけ方が厳しい中学校で38の前後をうろうろしていた高木さんは、中3で4か月だけ塾に通いました。出願する人がみんな「文武両道」と書く志願書で、何を書いたのかも聞きます。

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第4回

「この議論は、やめましょう」。集団討論で流れを変えた高木さんに聞く、塾高の推薦入試の作文と面接

第2次選考は、作文、集団討論、個人面接の3つ。作文のお題は「あなたを漢字一字で表すと」、集団討論のテーマは「大人と子どもの違い」でした。議論が薄くなりかけたところで流れを変えた高木さんに、当日の様子と準備、翌年からなくなった集団討論の話を聞きます。

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第5回

「塾高との相性は、5段階で3です」。それでも、もう一度選ぶなら塾高。高木さんが語る、クラスより部活の男子校

塾高が自分に合っていたかを5段階で聞くと、高木さんの答えは「3」でした。1学年18クラスの男子校で、人間関係はクラスより部活単位。それでも、もう一度受験するなら塾高を選ぶといいます。塾高生の特徴や、部活に入らない場合の過ごし方も聞きます。

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第6回表示中

「受験に追われずに、高3の夏まで部活をやり切れました」。大学受験のない塾高で、高木さんが過ごした3年間

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