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作文・面接・志望理由

「この議論は、やめましょう」。集団討論で流れを変えた高木さんに聞く、塾高の推薦入試の作文と面接

第2次選考は、作文、集団討論、個人面接の3つ。作文のお題は「あなたを漢字一字で表すと」、集団討論のテーマは「大人と子どもの違い」でした。議論が薄くなりかけたところで流れを変えた高木さんに、当日の様子と準備、翌年からなくなった集団討論の話を聞きます。

2026.10.30慶應義塾高等学校
朝の光が差す電車内で、足元にテニスのラケットバッグを置き、膝の上の教科書を読む男子中学生の後ろ姿を描いた和紙コラージュ風のイラスト

書類審査に通ると、推薦入試は第2次選考に進みます。高木さんの年は、作文、集団討論、個人面接の3つを1日で受けました。

高木さんが「合格につながった」と振り返るのは、集団討論です。テーマは「大人と子どもの違い」。議論が薄くなりかけたところで、高木さんは、話す内容そのものを変えようと提案しました。

連載第4回は、推薦入試の第2次選考の話です。

話し手:高木さん(仮名) 聞き手:インタビュアー / PenBridge

作文のお題は「あなたを漢字一字で表すと」

インタビュアー: 作文では、何を書いたんですか?

高木さん: 僕の年のお題は「あなたを漢字一字で表すと何か」でした。僕は「粘」、粘るという字を書きました。自分のプレースタイルのことと、文武両道でかなりきついスケジュールでも頑張ってこられた、自分の性格のことを書いて。

インタビュアー: 今振り返ると、どうですか?

高木さん: ひねりのない、あまり面白くない書き方だったと思います(笑)。

インタビュアー: 作文の対策は、どうしていましたか?

高木さん: 前回話した塾の塾長に見てもらっていました。その場でお題を見て、時間内に書いて、添削してもらう。それを続けていました。あとは、面接練習に単発で2、3回行きました。

当日の順番は、グループによって違う

インタビュアー: 3つは、どんな順番で受けるんですか?

高木さん: 順番はグループによってバラバラです。僕は、作文、集団討論、個人面接の順だったと思います。自分にとっては、いちばんいい順番でした。最初が個人面接の人もいます。

受験生6人で20分、面接官は「いるだけ」

インタビュアー: 集団討論は、どんな形式でしたか?

高木さん: 話すのは受験生どうしで6人、面接官は3人だったと思います。面接官が「机の上の紙を表にしてください」と言うと、そこにお題が書いてある。考える時間が1分あって、始めの合図のあとは、誰かが口火を切る。役割は決めてもいいし、決めなくてもいい。面接官は本当にいるだけで、時間は20分くらいでした。

インタビュアー: 就職活動のグループディスカッションのような?

高木さん: そうですね。就活のグループディスカッションを、ぐっと簡単にしたような感じです。

「大人と子どもの違い」で起きたこと

インタビュアー: 「大人と子どもの違い」では、どんな議論になったんですか?

高木さん: 最初は大人と子どもの定義から始まって、まず、大人とはこういうものです、という話をしたんです。次に、子どもとはこういうものです、という話になったんですけど、それが大人の反対を言っているだけで。大人には責任感がある、だから子どもには責任感がない、みたいな。すごく薄っぺらい議論になってしまったんです。

インタビュアー: そこで、どうしたんですか?

高木さん: 「この議論は時間を無駄にするだけなので、やめましょう」と言いました。代わりに提案したのが、成人年齢の引き下げの話です。選挙権の年齢も下がりましたよね。どちらも、大人と子どもの境界線を動かす話なので、今そういう動きがある中で、世の中で何が起きているのかを話しませんか、と。そこから議論を展開していって、それが最後に合格につながったと思っています。

インタビュアー: その展開は、練習していたんですか?

高木さん: 練習していたのは、議論全体の進め方です。あの提案は、正直ひらめきです。誰も思いついていなくて、しかも議論が深まる話を、たまたま思いつけた。運もありました。

個人面接で聞かれた「名前の由来」

インタビュアー: 個人面接は、どうでしたか?

高木さん: 受験生1人に面接官2人で、15分くらいだったと思います。本当にいろいろ聞かれました。テニスのことも聞かれましたし、すごく印象に残っているのは、名前の由来を聞かれたことです。

翌年から、集団討論がなくなった

高木さん: 僕の年までは、面接は集団討論と個人面接の2回で、それに作文、というのが例年の形でした。でも、僕の次の年から、個人面接が2回になったんです。

インタビュアー: 集団討論が、なくなった?

高木さん: ちょうど僕の年のころに、コロナが広がって。こういう密になる場はよくない、となったんだと思います。コロナが落ち着いても、その形のままらしくて。面接が2回あることは知られているので、受験生は集団討論の練習もしていくんですけど、行ってみたら今年もなかった、となるみたいです。今どうなっているかは、正直わかりません。

インタビュアー: 集団討論は、あったほうがよかったと思いますか?

高木さん: 僕は、すごくよかったと思います。塾高らしい試験だったので。個人面接だけだと、何で差がつくのか……。

インタビュアー: 面接官との相性や、好き嫌いになってしまう?

高木さん: そうなんです。就活みたいですよね。

PenBridge編集部より

2027年度の推薦入学試験要項では、第2次選考は「面接・作文」と書かれているだけで、面接の形式や回数は示されていません。高木さんの年にあった集団討論が翌年からなくなり、個人面接が2回になった、というのは高木さんが聞いている話です。受ける年の形式は、学校説明会などで確かめてください。

作文のテーマや文字数は、要項でも当日発表とされています。高木さんが続けていた、その場でお題を見て時間内に書き、添削を受ける練習は、今の入試にもそのまま使える準備です。要項には、面接で自分の特技を行ってもらう場合があり、その場合は第1次合格発表の日に連絡する、とも書かれています。

集団討論で高木さんがしたのは、議論が浅くなっていることに気づいて、もっと深まる問いを出すことでした。成人年齢を18歳に引き下げる改正民法は2018年に成立し、2022年4月に施行されています。高木さんが受験したのは、その成立から施行までの間でした。面接の形式が変わっても、聞かれたことをその場で考え、世の中の動きと結びつけて自分の言葉で話す準備は役に立ちます。名前の由来のように、活動とは関係のない質問が来ることもあります。

次回からは、入学してからの塾高の話です。

連載記事

高木さんインタビュー

第1回

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小学生のころからテニス中心の生活を送り、中学受験は塾に通わずに国立大学の附属中学校へ。高木さんは中1のときに、もう塾高テニス部の練習に参加していました。推薦入試で慶應義塾高校に入るまでの連載第1回は、塾高を選んだ理由を聞きます。

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第2回

「ゲーム機もスマホもなかったことに、感謝しかないです」。週6日のテニスと片道1時間半の通学で、高木さんが評定を取り続けた中学時代

朝6時半に起きて、片道1時間半の電車で通学。放課後はテニススクールに向かい、帰宅は夜10時半。高木さんは中3の夏まで週6日のテニスを続けながら、成績のつけ方が厳しい国立大学の附属中学校で評定を取り続けました。勉強の時間はどこにあったのか、家庭のルールとあわせて聞きます。

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第3回

「みんな、文武両道と書くんです」。評定38の壁を越えて、高木さんが塾高の推薦入試に出願するまで

塾高の推薦入試には、中3の9教科の評定合計が38以上という出願資格があります。成績のつけ方が厳しい中学校で38の前後をうろうろしていた高木さんは、中3で4か月だけ塾に通いました。出願する人がみんな「文武両道」と書く志願書で、何を書いたのかも聞きます。

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第4回表示中

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第2次選考は、作文、集団討論、個人面接の3つ。作文のお題は「あなたを漢字一字で表すと」、集団討論のテーマは「大人と子どもの違い」でした。議論が薄くなりかけたところで流れを変えた高木さんに、当日の様子と準備、翌年からなくなった集団討論の話を聞きます。

第5回

「塾高との相性は、5段階で3です」。それでも、もう一度選ぶなら塾高。高木さんが語る、クラスより部活の男子校

塾高が自分に合っていたかを5段階で聞くと、高木さんの答えは「3」でした。1学年18クラスの男子校で、人間関係はクラスより部活単位。それでも、もう一度受験するなら塾高を選ぶといいます。塾高生の特徴や、部活に入らない場合の過ごし方も聞きます。

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第6回

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塾高に入ってよかったと思ったのは、受験に追われずに高3の夏まで部活をやり切れたこと。インターハイで3位に入り、10月の国体にも出場しました。その一方で、大学まで見えていると勉強のやる気は出にくい。「毎年1クラス分」と言われていた留年の話と、今も続くテニスの話を聞きます。

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