慶應義塾高等学校(以下、塾高)は、横浜・日吉にある慶應義塾の男子校です。1学年は18クラス、1クラスは約40名で、普通部や中等部から内部進学してくる生徒と、高校受験で入ってくる生徒が同じクラスで学びます。高校受験には一般入試・帰国生入試のほかに推薦入試があり、2027年度の推薦入試の募集人員は約40名です。
今回話を聞いたのは、推薦入試で塾高に入り、現在は慶應義塾大学商学部の4年生として、体育会のテニス部で競技を続けている高木さん(仮名)です。小学生のころからテニス中心の生活を送り、中学受験で神奈川県の国立大学の附属中学校に進学しました。東京の自宅から片道1時間半かけて通いながら、テニスでは全国大会で準優勝し、成績のつけ方が厳しい中学校で評定も取り続けました。
連載では、高木さんの中学時代と推薦入試、入学してから過ごした塾高の3年間を、6回に分けて聞いていきます。第1回は、塾高を目指すまでの話です。
話し手:高木さん(仮名) 聞き手:インタビュアー / PenBridge
中学受験は、塾に通わずに
インタビュアー: まず、これまでに通った学校を教えてください。
高木さん: 中学は受験して、神奈川県にある国立大学の附属中学校に入りました。高校は塾高で、推薦入試です。大学は内部進学で、慶應義塾大学の商学部に進みました。
インタビュアー: 中学受験のときは、塾に通っていたんですか?
高木さん: ほとんど通っていません。姉が中学受験をしていたので、「あなたもやってみる?」という話になって、小6の夏に一度、塾の夏期講習に行ったんです。でも、そのころはテニスを週6日やっていて。講習は週2日に抑えてもらって、テニスを1日減らして、週5日のテニスと週2日の塾。それでも本当に死にそうになって(笑)、母も「これは中学受験は無理だね」となりました。塾は、そこでやめています。
インタビュアー: それでも、中学受験はしたんですね。
高木さん: 僕が受けた学校は、試験が算数と国語の2科目と面接だったんです。中学受験の理科と社会は、塾に行っていないと本当に厳しいと思います。学校で習う内容とは、ほとんど別物なので。でも国語は地頭である程度いけますし、算数も、つるかめ算のような中学受験特有の問題さえ対策すれば、可能性はある。それで、過去問集だけ買って、ひたすら解いて受けました。
インタビュアー: その年は、テニスでも結果を出していたそうですね。
高木さん: 小6の夏に、全国大会でベスト16に入りました。夏には全国ベスト16、春には第一志望に合格。就活のエントリーシートにも書いたくらい、自分では誇りに思っています(笑)。
中1で、塾高テニス部の練習に参加した
インタビュアー: 塾高を目指したきっかけは、何だったんですか?
高木さん: きっかけは親です。なぜか慶應への思いが強くて(笑)。姉にも慶應に行ってほしいと思っていて、実際に姉は慶應に進みました。それで、僕のことも慶應に入れたい、となって。中1のときに、親に言われて塾高テニス部の練習に参加したんです。
インタビュアー: 中1で、高校の練習に。
高木さん: テニス部の先生には今でも言われるんですけど、中1で塾高の練習に参加したのは、僕が史上初だったそうです。普通は中3になって受験が近づいてから、どんな感じか見に来るものなので。
テニスも勉強も、いちばんできるのは塾高
インタビュアー: 親に言われたから、というだけではなかった?
高木さん: 中1から見ていたので、自然と目指すようになった、というのはあります。それに、テニスも勉強もできる環境ということで言えば、それを日本でいちばんできるのは、紛れもなく塾高だと思っていました。だから、自然と選んでいた感じです。
インタビュアー: 早稲田は考えなかったんですか?
高木さん: 早稲田も、テニスが強かった時期はあるんですけど……。そこは正直、ミーハーでした。慶應ボーイへの憧れみたいなものがあって(笑)。
慶應以外は受けていない
インタビュアー: 塾高のほかに、受けた学校はありますか?
高木さん: 受けていません。推薦入試で落ちたら、ほかの学校を受ける予定でした。
PenBridge編集部より
高木さんが塾高を意識したきっかけは、親の慶應への思いでした。ただ、中1で塾高テニス部の練習に参加してからは、テニスと勉強の両方を続けられる場所として、本人の中でも塾高が自然と第一志望になっていきます。中3になって受験が近づいてから練習を見に来るのが普通だった中で、高木さんには、3年かけて志望を固める時間がありました。
塾高の推薦入試は、塾高を第一志望とすることが出願資格の一つです。学校のQ&Aでも、どこよりも塾高への入学を希望する中学生に受験してほしい、と説明されています。推薦入試で不合格になった場合は、あらためて出願書類と検定料を用意すれば、一般入試・帰国生入試を受けることができます。
中学受験を塾に通わずに乗り切った高木さんは、中学に入ってからも、週6日のテニスを続けました。次回は、その中学3年間で、勉強の時間をどう作っていたのかを聞きます。2027年度の推薦入試の日程や出願資格は、慶應義塾高校の受験対策ページにまとめています。
