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受験と家庭

「ゲーム機もスマホもなかったことに、感謝しかないです」。週6日のテニスと片道1時間半の通学で、高木さんが評定を取り続けた中学時代

朝6時半に起きて、片道1時間半の電車で通学。放課後はテニススクールに向かい、帰宅は夜10時半。高木さんは中3の夏まで週6日のテニスを続けながら、成績のつけ方が厳しい国立大学の附属中学校で評定を取り続けました。勉強の時間はどこにあったのか、家庭のルールとあわせて聞きます。

2026.10.30慶應義塾高等学校
朝の光が差す電車内で、足元にテニスのラケットバッグを置き、膝の上の教科書を読む男子中学生の後ろ姿を描いた和紙コラージュ風のイラスト

高木さんが通っていた神奈川県の国立大学の附属中学校は、東京の自宅から電車で片道1時間半の場所にありました。授業が終わればテニススクールへ向かい、家に着くのは夜10時半。土日は試合です。テニスは中3の夏まで、週6日続けました。

それでも高木さんは、成績のつけ方が厳しい中学校で評定を取り続け、塾高の推薦入試に出願できるところまでたどり着いています。勉強の時間は、どこにあったのか。返ってきたのは、電車と、ゲーム機のない家の話でした。

連載第2回は、中学3年間の両立の話です。

話し手:高木さん(仮名) 聞き手:インタビュアー / PenBridge

6時半に起きて、帰宅は夜10時半

インタビュアー: 中学時代は、どんな毎日でしたか?

高木さん: 人生でいちばん忙しかった時期です。朝6時半に起きて、7時前には家を出る。学校までは電車で片道1時間半です。学校が終わったら急いでテニススクールに行って、家に帰ってくるのは夜10時半くらい。次の日はまた6時半に起きて、土日は試合でした。

インタビュアー: テニスは週に何日ですか?

高木さん: 週6日です。中3の夏まで、最後までやり切りました。意識の高い子は中2の初めから塾に通って受験勉強をしていましたけど、僕はその時間も、ずっとテニスでした。

勉強は、電車の中で

インタビュアー: 勉強は、いつしていたんですか?

高木さん: 本当に、ひたすらやるだけなんですけど……。大きかったのは電車ですね。片道1時間半あるので、その間はずっと教科書を読んでいました。宿題もやりましたし、試験前は時間があればずっと勉強していました。

インタビュアー: 今の中学生なら、電車ではスマホを見ていそうです。

高木さん: 今は僕もスマホを見ちゃうので、もうあの生活には戻れないです(笑)。

ゲーム機は買ってもらえず、スマホは高1から

高木さん: うちはまず、ゲーム機を買ってもらえない家だったんです。

インタビュアー: なかなか厳しいですね。

高木さん: スマホをもらえたのも高1からです。中2くらいから、SIMの入っていないAndroidは渡されていたんですけど、SIMがないので家の中でしか使えなくて、外ではガラケーでした。だから、テニスと勉強の2つ以外に、時間を使っていなかったんです。今だったら信じられないですけど。

インタビュアー: 振り返ってみて、どう思いますか?

高木さん: 意外と、感謝しています。というか、感謝しかないです。ゲームを、僕から全部奪ってくれていたので(笑)。ゲーム機やスマホがある状態だったら、あんなに頑張れなかったと思います。

やり直せるとしても、変えたいところはない

インタビュアー: 中学時代をもう一度やり直せるとしたら、変えたいところはありますか?

高木さん: それが、ないんです。義務教育から高校、大学まで、塾のことも含めて、これ以上ない完璧な人生を歩んできたという自負があって(笑)。

インタビュアー: 完璧、ですか。

高木さん: 塾に行かずに中学受験をして、学費も安い国立の中学校に入って。中学では、学校のある地域について学ぶ授業や、地域の人へのインタビューがあって、友達も、住んでいる東京とは別の地域に広がりました。勉強は塾高の推薦入試に出願できるだけの評定を取り続けて、テニスは週6日、最後の夏までやり切った。勉強していないじゃないか、と言われるかもしれないですけど、レベルの高い学校で評定を取り続けたので。両立という意味では、全部いいとこ取りができたと思っています。

PenBridge編集部より

高木さんの中学時代は、週6日のテニスに片道1時間半の通学が重なる生活でした。その中で勉強の時間になっていたのが、電車の中です。ゲーム機がなく、スマホも家の中でしか使えなかったので、通学時間がそのまま教科書を読む時間になっていました。

ゲーム機やスマホをいつ持たせるかは、家庭ごとに考え方があります。ただ、高木さんの場合は、テニスと勉強のほかに時間を使う先がなかったことが、両立を支えていました。本人も「ある状態だったら、あんなに頑張れなかった」と振り返っています。

もっとも、評定が最後まで楽に取れていたわけではありません。成績のつけ方が厳しい中学校で、中3のときは、推薦入試の出願資格である評定合計38の前後をうろうろしていたといいます。次回は、その38を越えるまでと、推薦入試の志願書の話です。

連載記事

高木さんインタビュー

第1回

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