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過去問・模試活用

自信があった英語で「落ちた」と思って帰った入試の日。直前の2か月、英語に触れなかった松尾さんの反省

自信があった英語には、受験直前の2か月ほとんど触れなかった。本番では手が止まり、自己採点の途中で「落ちた」と思って帰った松尾さん。合格のあとも残った苦手意識と、数学は20年分・英語はゼロだった過去問の進め方を、反面教師として聞きます。

2026.10.27慶應義塾女子高等学校
冬の光が差す机に、使い込んだ過去問や付箋、鉛筆、湯気の立つマグカップが並ぶ淡い水彩風イラスト

前回、松尾さんは本番の問題を「何もかも、私と相性が良すぎる問題構成だった」と振り返り、「英語以外は」と付け加えました。

英語は、もともと得意なつもりだった科目です。だからこそ、第一志望を女子高に変えた12月から2月の入試まで、ほとんど手を付けませんでした。本番で何が起きたのか。合格したあとに何が残ったのか。松尾さんは「反面教師として使っていただければ」と話してくれました。

連載第5回は、英語の話です。

話し手:松尾さん(仮名) 聞き手:インタビュアー / PenBridge

できていると思って、一切勉強しなかった

インタビュアー: 英語は、どうだったんですか?

松尾さん: 英語は、自分はできていると思って一切勉強しなかったら、当日本当に全然解けなくて。あ、落ちたと思って帰りました。

インタビュアー: それまでは、できていたんですよね。

松尾さん: それまでの勉強ではできていました。でも、女子高に向けて勉強を始めるぞとなった12月から2月までの2か月間、ほぼ英語に触れなかったら、ダメになっちゃいました。

インタビュアー: 直前に、英語の過去問を1回解いてみる、ということも?

松尾さん: あまりやらなかったです。数学だけをがんばらなきゃ、と思っていて、英語は頭から外れていました。

「自信あります」と言ってしまった

インタビュアー: 家庭教師の先生は、英語について何か言わなかったんですか?

松尾さん: 英語は大丈夫かと聞かれて、「自信あります、大丈夫です」と言っちゃったんです。

インタビュアー: 受験生本人の「大丈夫」を、先生がどこまで信じるか。難しいところですね。

松尾さん: 落とし穴でした。数学だけが本当に不安すぎて、英語をやっている暇があるなら数学をやりたい、という感じだったので。

自己採点で、丸が見えなかった

インタビュアー: 試験のあと、自己採点はしたんですか?

松尾さん: しました。試験が終わったら、すぐ塾で自己採点をするんです。国語と数学はすごくよくて、国語は先生の丸の付け方次第ですけど、90点を超えていました。

インタビュアー: 英語は?

松尾さん: しばらく丸が見えなくて。途中で採点をやめて帰りました。

インタビュアー: 半分も取れていない感じですか?

松尾さん: 絶対いっていないと思います。途中でやめたので、本当のところはわからないですけど。それで、もう英語で落ちたと思って帰ったら、受かっていました。

合格しても、苦手意識は消えなかった

インタビュアー: 合格したあと、英語はどうなったんですか?

松尾さん: 苦手意識が、もう拭いきれなくて。自分は英語ができないんだ、という思いのまま、女子高の3年間を過ごしちゃいました。

インタビュアー: 2か月触れなかったことが、そこまで尾を引いた。

松尾さん: 2か月で忘れちゃうんです。英語は、継続して触れていないとダメですね。

過去問は、数学20年分・国語は品詞分解問題だけ・英語はゼロ

インタビュアー: これから受ける人に、一つ言うとしたら?

松尾さん: 一つ言うなら、過去問はもう全部解いたほうがいいです。

インタビュアー: 松尾さんは、どれくらい解いたんですか?

松尾さん: 数学は全部解きました。20年分です。国語は、品詞分解問題だけは全部解きました。これだけは、やれば解けるので。英語は何もしていないです。

インタビュアー: それは……。

松尾さん: ダメですよ、と(笑)。反面教師として使っていただければ。

PenBridge編集部より

松尾さんの英語の失敗は、苦手科目に時間を集めた結果、得意だと思っていた科目が手薄になった、というものでした。12月から2月までの2か月、ほとんど英語に触れなかったことで、本番では手が止まってしまいました。合格はできましたが、そのときの感覚は「自分は英語ができない」という思い込みになって、女子高の3年間残ったと松尾さんは話します。

インタビューの中で印象に残ったのは、家庭教師の先生に「英語は大丈夫です」と答えていた場面です。受験生本人の「大丈夫」は、本人が正直に答えていても、実際の得点とずれることがあります。直前期に苦手科目へ時間を寄せるときも、ほかの科目の過去問を時間を計って一度解いておけば、そのずれに本番の前に気づけます。

前回の「宝くじ」の話に重ねると、当たる可能性を上げる準備には、苦手科目を埋めることと同じくらい、どの科目も手放さないことが含まれていました。松尾さん自身が「反面教師に」と話してくれたこの経験を、直前期の計画を立てるときに思い出してもらえればと思います。

連載記事

松尾さんインタビュー

第1回

「中3の12月に、やっぱり慶應女子に行きたいと思ったんです」。公立トップ校を目指していた松尾さんの高校受験

週5日のバスケ部と塾を両立しながら、神奈川の公立トップ校を目指していた松尾さん。中3の夏には慶應女子も志望校に入れていましたが、第一志望を変えたのは12月でした。公立中心の塾では手が届かない対策をどう補ったのか、入試までの2か月を聞きます。

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第2回

「数学は、通貨が違うんです」。公立入試の数学が得意だった松尾さんが、慶應女子の数学で20年分の過去問を解くまで

神奈川の公立入試の数学はできたのに、私立の高校入試の数学になると手が止まった。松尾さんはその違いを「通貨が違う」と表現します。苦手に気づいたきっかけ、家庭教師と数学だけに絞った2か月、20年分解いた過去問の話を聞きます。

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第3回

「品詞分解問題」は、過去問を見て自分で気づいた。国語が得意だった松尾さんの慶應女子対策と、マンモスの作文

国語は「学校の内容の超難しいバージョン」。それでも、過去問から毎年のように出ている文法の問題に気づき、塾の先生に例題を作ってもらった松尾さん。最後の科目で書いたマンモスの作文まで、国語と作文の準備を聞きます。

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第4回

「女子高の受験は、宝くじを引く感覚なんです」。慶應女子に合格した松尾さんが、どうしても伝えたかった運と相性の話

「勉強は、宝くじが当たる可能性を上げるだけ」。松尾さんが受験生にどうしても伝えたかったのは、家庭教師の先生から聞いたこのたとえでした。判定がよくても落ちることがある理由と、問題構成が変わった本番で引いた「いいくじ」の話を聞きます。

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第5回表示中

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第6回

「みんな、お互いを認めている空気があった」。高校受験で慶應女子に入った松尾さんが語る、女子高の友人関係と先生

「周りにいる人が全員優秀だから、刺激される」。高校受験で慶應女子に入った松尾さんに、生徒どうしの関係、厳しめの校則、どの代からも慕われる先生、中等部から上がってきた同級生との距離を聞きます。

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第7回

「今でも仲良くしています」。ゲームでつながった友達と、卒業しても続く慶應女子の仲間

女子高の3年間、松尾さんがよく一緒に過ごしたのは、ゲームでつながった中等部出身の友達でした。今年の十月祭にも集まった同級生、卒業生に届く女子高の便り、SFCでの女子高出身どうしのつながりまで、卒業しても続く友達の話を聞きます。

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第8回

「SFCで脳の勉強ができるとわかって、すぐ志望を変えました」。慶應女子の選択授業で進路を決めた松尾さんの学部選び

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