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日常生活・キャンパスライフ

授業が終わっても、大学生活は終わらない。食卓と深夜の会話から広がるSFC寮の人間関係

イータヴィレッジでの食事や夜の過ごし方、留学生・帰国生を含む寮の人間関係について聞きます。

2026.07.10
大きな窓から光が入る学生寮の共用ダイニングで、5人の学生が食卓を囲む和紙の切り絵風イラスト

大学で友人ができる場所といえば、授業やサークル、研究室を思い浮かべる人が多いかもしれません。

しかし、慶應義塾大学SFCの学生寮、イータヴィレッジで暮らした小野田さん(仮名)にとって、人との関係が生まれる場所はキャンパスの中だけではありませんでした。

授業を終えて寮に戻り、共用スペースに行く。そこで誰かと食事をし、少しだけ話すつもりが、気づけば夜遅くまで会話が続いている。

特別な交流プログラムに参加しなくても、生活を共にする中で、学年や所属、育ってきた環境の違う人と自然につながっていきます。

今回は、小野田さんに、イータヴィレッジでの食事や夜の過ごし方、寮で生まれた友人関係について聞きました。

話し手:小野田さん(仮名) 聞き手:インタビュアー / PenBridge

共用部に行けば、誰かがいた

インタビュアー: 寮では、授業が終わった後もみんなで集まっていたんですか?

小野田さん: 集まっていましたね。寮生は共用部を24時間使うことができたので、夜になってから行くこともありました。

インタビュアー: 夜遅くまで話すこともありましたか?

小野田さん: ありました。

夜になると、共用部の照明が少し落ち着いた雰囲気になるんです。真っ暗になるわけではないんですが、昼間とは少し空気が変わって、自然とゆっくり話したくなるような感じでした。

インタビュアー: 「今日は誰かと話そう」と約束して集まるわけではない。

小野田さん: そうですね。共用部に行ったら誰かがいて、そのまま話し始めることが多かったです。

一人暮らしだと、授業が終わって家に帰った時点で、その日の大学生活はいったん終わると思います。でも寮では、帰ってからも人との時間が続いていました。

一緒に食事をすることが、関係の始まりになる

インタビュアー: 寮の人とは、どのようなきっかけで仲良くなるんですか?

小野田さん: 食事の時間は大きかったと思います。

共用棟のソルト・ハウスには、みんなで使えるスペースやソファ席がありました。そこで一緒に食事をしたり、話したりしていました。

インタビュアー: 同じユニットの人だけで食べるわけではないんですね。

小野田さん: そうですね。同じユニットの人と食べることもありますが、共用スペースに行けば、別のユニットの人もいます。

同じ授業や研究室でなくても、食事の時間によく会うことで、少しずつ話すようになります。大学の友人関係とは、また違う広がり方をしていたと思います。

インタビュアー: 何か特別なきっかけがなくても、顔を合わせる回数が増えていく。

小野田さん: そうです。

同じ場所で生活しているので、「この前もいた人だ」となりますし、共通の友人を通じて話すこともあります。そうやって自然に知り合いが増えていきました。

個室があるから、交流するかどうかを自分で選べる

インタビュアー: 人と関わる機会が多いと、一人になる時間が取りにくいことはありませんでしたか?

小野田さん: そこは大丈夫でした。

寝る部屋はそれぞれ個室なので、一人になりたければ自分の部屋に戻れます。逆に、誰かと話したいと思ったら、ユニットリビングや共用部に行けます。

インタビュアー: ずっと共同生活をしなければいけないわけではない。

小野田さん: そうですね。自分で選べるのが良かったです。

相部屋で常に誰かが隣にいる形ではなく、個室を持ちながら共同生活ができます。人との距離が近い一方で、プライベートな時間も確保されていました。

同じ大学でも、育ってきた環境は違う

インタビュアー: 小野田さんのユニットには、留学生や帰国生もいたんですよね。

小野田さん: はい。自分のユニットには、韓国から来た留学生や、アメリカからの帰国生などがいました。海外で暮らした経験のある人もいて、かなり国際的なメンバーでした。

インタビュアー: 普段は何語で話していたんですか?

小野田さん: 自分のユニットは、たまたま全員が日本語を話せたので、日本語で話していました。

ただ、寮全体では英語を中心に話す人もいました。普通にキャンパスに通うだけでは、そこまで深く関わらなかったかもしれない人と、生活の中で接点を持てたのは大きかったです。

インタビュアー: 同じSFCの学生という共通点はあるけれど、背景はかなり違う。

小野田さん: 違いますね。

授業の話だけではなく、育ってきた国や地域、これまで経験してきたこと、将来やりたいことも違います。日常的な会話の中でも、自分とは違う考え方を知ることができました。

クリスマスやハロウィンには、寮全体で楽しむ

インタビュアー: 寮ならではのイベントもありましたか?

小野田さん: ありました。クリスマスやハロウィンなど、季節ごとのイベントがありました。

普段より豪華な料理が出たり、みんなで参加できる企画やコンテストのようなものがあったりしました。

インタビュアー: イベントをきっかけに、普段話さない人とも関われそうですね。

小野田さん: そうですね。寮全体のイベントなので、同じユニットではない人とも会います。

普段から同じ建物で生活している人たちと参加するので、イベントの日だけで終わらず、その後も共用部で会ったときに話すようになります。

実家から通えても、あえて寮に入る学生がいた

インタビュアー: 寮に入るのは、遠方出身の学生が中心ですか?

小野田さん: 遠方から来ている人もいますが、実家が東京都内にあって、通おうと思えば通える人も結構いました。

平日は寮で過ごして、週末には実家に帰るという人もいました。

インタビュアー: 通学時間を短くすることだけが目的ではないんですね。

小野田さん: そうですね。

同じ大学の人と生活したいとか、SFCの環境にできるだけ長くいたいという理由で入っている人も多かったと思います。

経済的に可能であれば、実家から通える距離でも、寮に入る価値はあると思います。

「人と関わりたい」と考える学生が集まっていた

インタビュアー: 寮生には、何か共通する雰囲気がありましたか?

小野田さん: あると思います。

もちろん、全員が社交的というわけではありません。ただ、わざわざ寮に入って共同生活をしようと考えているので、人との関わりに前向きな人は多かったです。

インタビュアー: ただ近くに住みたいというだけではなく、大学生活そのものを濃くしたいと考えている。

小野田さん: そうですね。

SFCで面白い人たちと出会えるなら、授業の時間だけではなく、その環境の中で生活してみたい。そう考えて入っている人が多かったと思います。

PenBridge編集部より

小野田さんの話から伝わってくるのは、寮での人間関係が、特別な交流企画によってつくられていたわけではないということです。

共用部に行く。誰かと食事をする。夜になっても少し話す。何度も顔を合わせる中で、相手の名前や興味を知っていく。

一つひとつは小さな出来事ですが、その積み重ねが、授業やサークルだけでは得られない友人関係につながっていました。

寮生活というと、「常に誰かと一緒にいなければならないのではないか」と心配する学生や保護者もいるでしょう。しかし、イータヴィレッジでは、寝室は個室として確保されていました。

一人で過ごしたいときには自室に戻り、人と話したいときには共用部へ行く。その日の気分や状況に合わせて、人との距離を自分で選ぶことができます。

また、同じSFCに通っているという共通点がありながら、国籍、出身地、学年、関心分野は異なります。共通の土台があるから話し始めやすく、背景が違うから話していて面白い。その両方があることも、大学の寮ならではの魅力です。

大学生活は、授業を受けて単位を取る時間だけではありません。

授業が終わった後に誰と食事をするのか。何気ない会話から、どのような考え方に触れるのか。困ったときに相談できる人が近くにいるのか。

イータヴィレッジは、SFCでの学びを生活の時間まで広げる場所でした。

人と関わることを楽しみ、大学で出会った環境を最大限に生かしたい学生にとって、キャンパスの近くで仲間と暮らす経験は、大学生活の大きな財産になりそうです。

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