池の周りをぐるぐる歩く2人。「追い越すまでの時間」を求めるときは、2人の歩いた道のりに、どれだけ差がつけばよいかを考えると整理できます。
2026年度の慶應中等部・算数2(4)を、動き、道のり、計算の順に見ていきましょう。
問題|次に追い越すのは何分後?
兄と弟が、池の周りを同じ向きに、それぞれ一定の速さで歩きます。1周するのにかかる時間は、次のとおりです。
- 兄:6分
- 弟:8分
兄が弟を追い越してから、次に追い越すまで、何分かかるでしょうか。
問題の条件を整理して掲載しています。出典は四谷大塚「2026年度 慶應中等部 算数」問題PDFの3ページ・2(4)です。
まずはここで読むのを止めて、2人がどのように動くか考えてみてください。
① 2人が並んだところから考える
問題で聞かれているのは、「兄が弟を追い越してから」の時間です。そこで、兄が弟に追いついて、ちょうど並んだ瞬間を0分にします。
それまでに何分歩いたかは、ここでは考えなくて大丈夫です。同じ場所から、兄と弟がそれぞれどれだけ進むかを比べます。
兄のほうが速いので、歩き続けると兄が前に出ます。6分たつと、兄は1周して、0分のときにいた場所へ戻ってきます。
では、この時点で弟に追いついているでしょうか。
弟も歩いているので、まだ追いついていません。 弟は8分で1周するため、6分では1周の4分の3まで進んでいます。
兄が「もとの場所へ戻ること」と「弟にもう一度追いつくこと」は、別なのです。
② 追いつくには、弟より1周多く進む
兄は、さらに歩き続けます。池をぐるっと回り、弟の後ろからもう一度追いついたとき、2人は再び同じ場所に並びます。
このとき、兄が歩いた道のりは、弟が歩いた道のりに、池1周分を足した長さになっています。
次に追い越すとき、兄は弟より 1周分多く 進んでいる。
つまり、求めたいのは「兄が1周する時間」ではなく、2人の道のりに1周分の差がつくまでの時間です。
ここが、この問題のいちばん大事なポイントです。
③ 1周を24等分すると、速さを比べやすい
池の1周が何メートルなのかは、問題に書かれていません。それでも、同じ池を歩く2人の道のりは比べられます。
今回は、池1周を24等分します。その1つを「1個分」と呼ぶことにすると、1周は24個分です。
24を選ぶのは、兄の6分でも弟の8分でも割り切れて、1分で進む量を整数で表せるからです。
兄は1分に4個分、弟は1分に3個分
兄は6分で24個分進むので、1分では次の量を進みます。
兄:24 ÷ 6 = 4個分
弟は8分で24個分進むので、1分では次の量を進みます。
弟:24 ÷ 8 = 3個分
兄と弟が同じ1分間に進む量を引き算します。
4 − 3 = 1個分
1分たつごとに、兄が歩いた道のりは、弟より1個分ずつ多くなります。2分なら2個分、3分なら3個分、と差が広がっていきます。
ここでの1個分は、池1周の24分の1です。24メートルの池だと決めたわけではありません。
④ 24個分の差がつくまでの時間を求める
②で確認したように、次に追い越すには1周分の差が必要です。1周は24個分でした。
- 必要な道のりの差:24個分
- 1分でつく道のりの差:1個分
したがって、かかる時間は次の式で求められます。
24 ÷ 1 = 24分
答えは、24分です。
式をまとめると、24 ÷(24 ÷ 6 − 24 ÷ 8)= 24(分)となります。かっこの中が「1分でつく差」、最初の24が「必要な1周分の差」にあたります。
答えを確かめよう
24分で、兄は24 ÷ 6 = 4周、弟は24 ÷ 8 = 3周進みます。
兄のほうがちょうど1周多く進んでいて、再び同じ場所に並びます。道のりの差は0から一定の割合で増えるので、初めて1周分の差になるのが、この24分後です。
同じ向きの追い越し問題で覚えたいこと
池やトラックを同じ向きに周回する問題では、最初に「次に追いついたときの、歩いた道のりの差」を図にしてみましょう。
1周分の差が必要だと分かれば、あとは「必要な差 ÷ 1分でつく差」で時間を求められます。 今回は1周を24等分することで、分数を使わずに計算できました。
答えの24分だけでなく、「なぜ1周分の差なのか」を自分の言葉で説明できるか、確かめてみてください。
