慶應普通部・中等部を目指す中学受験では、通常の4科目学習に加えて、学校ごとの出題傾向に合わせた対策が必要になります。
一方で、ただ講座を増やせばよいわけではありません。
普通部と中等部では、同じ慶應であっても問題の性格が違います。普通部では難問や特徴的な出題への対応力が求められ、中等部では基本問題を高い精度で取り切る力が重要になります。
では、集団塾、学校別対策、個別指導はどのように使い分けるべきなのでしょうか。
今回は、慶應普通部・中等部を受験し、中等部に進学した家谷さんに、当時の受験対策を振り返ってもらいました。
話し手:家谷さん 聞き手:インタビュアー / PenBridge
基本は4科目。まずは全体の範囲を押さえる
インタビュアー: 慶應の中学受験は、何科目で受けるんですか?
家谷さん: 基本的には4科目です。国語、算数、理科、社会ですね。中学受験はほとんど4科目で、まずは全体の範囲をしっかりやることが大事だと思います。
インタビュアー: 小4から塾に通っていたんですよね。
家谷さん: はい。小4から通っていました。最初は塾のカリキュラムに沿って、単元ごとに進めていく感じです。6年生になると、そこから志望校別の対策が入ってきます。
インタビュアー: 全体のカリキュラムを進めたうえで、最後に学校別対策をする。
家谷さん: そうですね。中学受験は範囲が広いので、まず全体を押さえることは必要だと思います。ただ、最後は学校ごとの特徴に合わせて対策する必要があります。
普通部は難問、中等部は精度
インタビュアー: 普通部と中等部では、問題の印象は違いましたか?
家谷さん: 違いました。普通部は問題が難しい印象があります。算数でかなり難しい問題が出たり、理科で細かい内容が出たりすることがありました。普通部を受ける人は、普通部用の対策をかなりすると思います。
インタビュアー: 中等部はどうですか?
家谷さん: 中等部は、基本的な問題を高い精度で取ることが大事だと思います。簡単に見える問題でも、9割取れるかどうか、ミスなく解けるかどうかが重要です。
インタビュアー: 同じ慶應でも、求められる力が違うんですね。
家谷さん: そうですね。普通部は難問への対応力、中等部は精度の高さという印象でした。もちろん年度によって違いはあると思いますが、対策の仕方は分けて考えた方がいいと思います。
学校別対策は、問題の癖を知るために重要
インタビュアー: 6年生になると、学校別の講座にも通っていたんですよね。
家谷さん: はい。日曜日に志望校別の講座があって、慶應を目指す人が集まるような形でした。そこでは過去問や学校別の問題に近いものを解いていました。
インタビュアー: 通常授業とは違う役割があった?
家谷さん: ありました。通常授業では全体の単元を進めますが、学校別対策では、その学校で出やすい問題や特徴に慣れることができます。
インタビュアー: 慶應は学校ごとの癖がある。
家谷さん: あると思います。普通部と中等部でも違いますし、同じ慶應だから同じ対策でいいというわけではないと思います。
直前期は「全部やる」より「何を優先するか」
インタビュアー: 受験が近づくと、勉強量もかなり増えますよね。
家谷さん: そうですね。年末年始にも学校別の講座があったりして、小6でもかなり勉強していました。今考えるとすごいスケジュールだったと思います。
インタビュアー: その時期は、何が大事だと思いますか?
家谷さん: 全部を同じようにやるのは難しいので、何を優先するかだと思います。普通部なら普通部で必要な対策がありますし、中等部なら中等部でミスを減らす練習が大事です。
インタビュアー: 学校ごとに、最後に詰める内容が違う。
家谷さん: そうですね。過去問をやって、どこで点を落としているのかを見ることも大事だと思います。
個別に見てもらうことで、弱点や優先順位が見えやすくなる
インタビュアー: 集団塾以外に、個別で見てもらう機会もありましたか?
家谷さん: ありました。最後の方に、苦手なところを見てもらうために家庭教師の先生に来てもらったことがあります。国語か理科だったと思います。
インタビュアー: 個別で見てもらう良さはどこにありますか?
家谷さん: 集団授業だと、全体のペースで進んでいきます。個別で見てもらうと、自分がどこでつまずいているのかを見てもらいやすいと思います。
インタビュアー: 分からない問題を教えてもらうだけではなく、何を優先するかも整理できる。
家谷さん: そうですね。特に直前期は、全部を同じようにやるのは難しいので、どこを重点的にやるかが大事だと思います。
「塾か個別か」ではなく、どう組み合わせるか
インタビュアー: 中学受験では、塾と個別指導をどう考えるとよいと思いますか?
家谷さん: どちらか一つというより、役割が違うと思います。集団塾は全体のカリキュラムや競争環境があります。一方で、個別指導はその子の状況に合わせて見てもらえるのが良さだと思います。
インタビュアー: 集団塾だけだと、家庭ごとの状況までは見えにくい。
家谷さん: そうですね。親も中学受験の内容を全部分かっているわけではないですし、小学生本人が自分で全部管理するのも難しいです。だから、今何をやるべきかを整理してくれる人がいると助かると思います。
インタビュアー: 保護者にとっても、学習状況が見えることは大事ですね。
家谷さん: そう思います。小学生の受験は本人だけでは走り切れないので、家庭のサポートも必要です。ただ、親だけで全部見るのも大変だと思います。
PenBridge編集部より
慶應普通部・中等部を目指す受験では、学習量だけでなく、対策の設計が重要になります。
普通部では難問や特徴的な出題に対応する力が求められ、中等部では基本問題をミスなく取り切る精度が求められます。同じ慶應でも、必要な準備は同じではありません。
また、集団塾には、全体カリキュラム、演習量、周囲との競争環境という強みがあります。一方で、集団塾の結果をどう読み取り、どの単元を優先し、家庭学習で何を改善するかは、家庭だけでは判断しにくいこともあります。
個別指導の役割は、単に分からない問題を解説することだけではありません。
子どもの答案や学習状況を見て、つまずきの原因を整理すること。志望校に向けて、今やるべきことの優先順位を決めること。保護者にも学習状況を共有し、家庭での不安を減らすこと。
慶應受験では、「塾に行っているから安心」でも、「個別指導をつけたから安心」でもありません。大切なのは、それぞれの役割を理解し、子どもに合った形で組み合わせることです。
PenBridgeでは、授業そのものだけでなく、学習状況の見立て、今後の方針、保護者への共有まで含めて伴走することを大切にしています。受験生本人が何につまずいているのか、家庭として次に何を優先すべきかを見える化することが、受験期の不安を減らす一歩になります。
