自転車のブレーキレバーは、身近にある「てこ」です。どこを握るかで、同じ効きでも必要な力が変わります。
2026年度の慶應中等部・理科2(1)を、しくみ、支点・力点・作用点、力と距離の関係の順に見ていきましょう。
問題|小さい力で引けるのは、どこ?
図1は、自転車の右手側のハンドルとブレーキレバーです。レバーはAを中心に回転し、Bに指をかけて引くと、Cにつながれたケーブルが引かれてブレーキが作動します。

- ア 図1のA、B、Cは、「力点」「作用点」「支点」のどれにあたりますか。
- A:支点 B:作用点 C:力点
- A:力点 B:支点 C:作用点
- A:支点 B:力点 C:作用点
- A:作用点 B:力点 C:支点
- イ ブレーキの効き具合を変えずに、より小さい力でレバーを引くには、Bのどの部分に指をかければよいですか。
- Bの左側
- Bの真ん中
- Bの右側
問題の条件を整理して掲載しています。出典は四谷大塚「2026年度 慶應中等部 理科」問題PDFの4ページ・2(1)です。図は問題をもとに描き直しています。
まずはここで読むのを止めて、レバーがどう動くか考えてみてください。
① 図を動かして、しくみをつかむ
試験の図は止まっていますが、頭の中で動かしてみましょう。
Bに指をかけて引くと、レバーはAを中心に回ります。レバーが回ると、反対側にあるCがケーブルを引きます。引かれたケーブルは前輪のブレーキにつながっていて、ブレーキがかかります。

- 回転の中心:A
- 指で力を加えるところ:B
- ケーブルを引くところ:C
② ア|支点・力点・作用点を見分ける
てこの3つの点は、役割で決まります。
- 支点:回転の中心。動かないところ
- 力点:人が力を加えるところ
- 作用点:力がはたらいて、相手を動かすところ
①で見たとおり、回転の中心はA、指で力を加えるのはB、ケーブルを引いてブレーキを動かすのはCです。

アの答えは 3(A:支点 B:力点 C:作用点)
「作用点」は「力が作用する相手がいるところ」と考えると、ケーブルがつながったCだと分かります。
③ イ|効きが同じなら、てこを回すはたらきも同じ
イには「ブレーキの効き具合を変えずに」という条件があります。ブレーキの効きは、ケーブルを引く力の大きさで決まります。つまり、Cがケーブルを引く力は同じということです。
Cがケーブルを引く力が同じなら、レバーを回すはたらきも同じです。てこを回すはたらきは、次の式で表せます。
てこを回すはたらき = 力の大きさ × 支点からの距離
このはたらきが同じなら、支点から遠いところで力を加えるほど、小さい力ですみます。
たとえば、回すはたらきを6とすると
問題に数値はありませんが、関係を確かめるために、回すはたらきを6としてみます。
| 支点からの距離 | 必要な力 |
|---|---|
| 1 | 6 |
| 2 | 3 |
| 3 | 2 |
同じ6個のブロックを、1列に6個、2列に3個ずつ、3列に2個ずつと並べ替えるイメージです。並べ方が変わっても、全体の数(力×距離)は変わりません。

Bの左側・真ん中・右側のうち、支点Aからいちばん遠いのは右側です。
イの答えは 3(図1のBの右側)
④ 小さい力ですむ代わりに、動かす長さは長くなる
支点から遠いところを引くと力は小さくてすみますが、ただで得をするわけではありません。
レバーを同じ角度だけ回すとき、支点から遠い点ほど大きく動きます。支点からの距離が3倍なら、動く長さも3倍です。力が3分の1になる代わりに、指を動かす長さは3倍になります。

この「力と動かす長さの関係」は、同じ大問の(2)、自転車のギアの問題でも使います。
てこの問題で覚えたいこと
てこの問題では、まず支点がどこかを決め、力点と作用点の支点からの距離に注目しましょう。
「回すはたらき=力×距離」が同じなら、距離が長いほど力は小さくてすみます。答えの番号だけでなく、「なぜ右側なのか」を自分の言葉で説明できるか確かめてみてください。
