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過去問解説

慶應中等部2026年 理科2(1)|自転車のブレーキレバーとてこ

自転車のブレーキレバーで、支点・力点・作用点を見分け、効きを変えずに小さい力で引ける位置を選ぶ問題。「てこを回すはたらき=力×支点からの距離」を、図を動かして確かめます。

2026.10.10慶應義塾中等部
Bを引いて、Aを中心に回ったブレーキレバーの図

自転車のブレーキレバーは、身近にある「てこ」です。どこを握るかで、同じ効きでも必要な力が変わります。

2026年度の慶應中等部・理科2(1)を、しくみ、支点・力点・作用点、力と距離の関係の順に見ていきましょう。

問題|小さい力で引けるのは、どこ?

図1は、自転車の右手側のハンドルとブレーキレバーです。レバーはAを中心に回転し、Bに指をかけて引くと、Cにつながれたケーブルが引かれてブレーキが作動します。

図1:自転車の右手側のハンドルとブレーキレバー。左にC(ケーブルがつながる点)とA(回転の中心)、右端にB(指をかける部分)。Bの左側・真ん中・右側に1・2・3の印がある。

  • ア 図1のA、B、Cは、「力点」「作用点」「支点」のどれにあたりますか。
    1. A:支点 B:作用点 C:力点
    2. A:力点 B:支点 C:作用点
    3. A:支点 B:力点 C:作用点
    4. A:作用点 B:力点 C:支点
  • イ ブレーキの効き具合を変えずに、より小さい力でレバーを引くには、Bのどの部分に指をかければよいですか。
    1. Bの左側
    2. Bの真ん中
    3. Bの右側

問題の条件を整理して掲載しています。出典は四谷大塚「2026年度 慶應中等部 理科」問題PDFの4ページ・2(1)です。図は問題をもとに描き直しています。

まずはここで読むのを止めて、レバーがどう動くか考えてみてください。

① 図を動かして、しくみをつかむ

試験の図は止まっていますが、頭の中で動かしてみましょう。

Bに指をかけて引くと、レバーはAを中心に回ります。レバーが回ると、反対側にあるCがケーブルを引きます。引かれたケーブルは前輪のブレーキにつながっていて、ブレーキがかかります。

Bを引くとレバーがAを中心に回り、Cがケーブルを引く。ケーブルは前輪のブレーキにつながっていて、ブレーキがかかる。

  • 回転の中心:A
  • 指で力を加えるところ:B
  • ケーブルを引くところ:C

② ア|支点・力点・作用点を見分ける

てこの3つの点は、役割で決まります。

  • 支点:回転の中心。動かないところ
  • 力点:人が力を加えるところ
  • 作用点:力がはたらいて、相手を動かすところ

①で見たとおり、回転の中心はA、指で力を加えるのはB、ケーブルを引いてブレーキを動かすのはCです。

Aは回転の中心なので支点、Bは指で力を加える所なので力点、Cはケーブルを引く所なので作用点。

アの答えは 3(A:支点 B:力点 C:作用点)

「作用点」は「力が作用する相手がいるところ」と考えると、ケーブルがつながったCだと分かります。

③ イ|効きが同じなら、てこを回すはたらきも同じ

イには「ブレーキの効き具合を変えずに」という条件があります。ブレーキの効きは、ケーブルを引く力の大きさで決まります。つまり、Cがケーブルを引く力は同じということです。

Cがケーブルを引く力が同じなら、レバーを回すはたらきも同じです。てこを回すはたらきは、次の式で表せます。

てこを回すはたらき = 力の大きさ × 支点からの距離

このはたらきが同じなら、支点から遠いところで力を加えるほど、小さい力ですみます。

たとえば、回すはたらきを6とすると

問題に数値はありませんが、関係を確かめるために、回すはたらきを6としてみます。

支点からの距離必要な力
16
23
32

同じ6個のブロックを、1列に6個、2列に3個ずつ、3列に2個ずつと並べ替えるイメージです。並べ方が変わっても、全体の数(力×距離)は変わりません。

支点Aからの距離が1・2・3の位置で必要な力を比べた図。距離3の右側なら力2ですみ、力2×距離3=6。

Bの左側・真ん中・右側のうち、支点Aからいちばん遠いのは右側です。

イの答えは 3(図1のBの右側)

④ 小さい力ですむ代わりに、動かす長さは長くなる

支点から遠いところを引くと力は小さくてすみますが、ただで得をするわけではありません。

レバーを同じ角度だけ回すとき、支点から遠い点ほど大きく動きます。支点からの距離が3倍なら、動く長さも3倍です。力が3分の1になる代わりに、指を動かす長さは3倍になります。

ケーブルを引く長さが同じとき、距離1の位置は力6で動く長さ1、距離3の位置は力2で動く長さ3。

この「力と動かす長さの関係」は、同じ大問の(2)、自転車のギアの問題でも使います。

てこの問題で覚えたいこと

てこの問題では、まず支点がどこかを決め、力点と作用点の支点からの距離に注目しましょう。

「回すはたらき=力×距離」が同じなら、距離が長いほど力は小さくてすみます。答えの番号だけでなく、「なぜ右側なのか」を自分の言葉で説明できるか確かめてみてください。

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